この記事で分かること
- バックアップとは何か(専門用語を使わない分かりやすい解説)
- iCloudを使って、自動でバックアップを設定する手順
- 自分の写真が正しく保存(バックアップ)されているか確認する方法
- 通信量を節約するために「Wi-Fi接続時のみ」保存する設定
- iCloudの無料容量(5GB)の仕組みと、足りなくなった時の対処法
「もしiPhoneを落として壊してしまったら、これまでの大切な写真が全部消えてしまうのではないか」と不安に思ったことはありませんか。特にお孫さんの成長記録や、旅先での思い出、家族の記念写真など、二度と撮り直せないデータは、iPhoneという一台の機械の中にだけ置いておくのは少し心細いものです。
そんな不安を解消してくれるのが「バックアップ」という仕組みです。あらかじめ設定をしておけば、あなたが意識しなくても、iPhoneが自動的に写真をインターネット上の安全な場所に保管し続けてくれます。iCloud(アイクラウド)というサービスを使えば、iPhoneユーザーなら誰でも5GBまで無料でこの機能を利用できます。
さらに、この設定は第9話で解説した「容量不足」の解決にも深く関わっています。インターネット上に保存が済んだ写真を効率的に管理すれば、iPhone本体の容量を賢く節約できるからです。この記事を読みながら一度設定を済ませて、万が一の時でも「写真だけは守られている」という大きな安心感を手に入れましょう。

バックアップとは何か
「バックアップ」という言葉は難しく聞こえますが、その意味はとてもシンプルです。日本語に言い換えるなら、「データの予備コピーをインターネット上の保管庫に保存しておくこと」です。
銀行の通帳や仕事の書類と同じ考え方
大切な銀行の通帳を紛失した時のために、コピーを取って別の場所に保管しておくことがありますよね。あるいは、仕事でWord(ワード)のファイルを作っているときに、万が一パソコンが固まっても大丈夫なように、USBフラッシュメモリにもコピーを保存しておくのと同じ発想です。
iPhoneにおけるバックアップもこれと同じで、「iPhone本体」という機械が壊れたり、紛失したりしても、別の場所(インターネット上の保管庫)にコピーがあれば、新しいiPhoneを買ったときにそこから写真を戻すことができるのです。
ちなみに、このiPhone専用の「インターネット上の保管庫」のことを、Apple(アップル)では「iCloud(アイクラウド)」と呼んでいます。
- バックアップとは、インターネット上に写真のコピーを作ること
- iPhoneが壊れたり紛失したりしても、データは別の場所に無事に残る
- 一度設定をオンにすれば、あとはiPhoneが自動で行うため手間がかからない
- iCloudは、誰でも最初の5GBまで無料で利用できる
iCloudとは
iCloudは、Appleが提供している無料のデータ保管サービスです。iPhoneには最初からこの機能が組み込まれているため、新しくアプリを入れる必要はありません。
iCloudでできること
- 5GBまで無料で保存:写真だけでなく、連絡先、メモ、カレンダーなどの大切なデータも保存できます。
- 複数の機器で見られる:iPhoneで撮った写真を、iPad(アイパッド)やMac(マック)といった他の機器で見ることもできます。
- 自動で最新の状態に:一度設定すれば、新しい写真を撮るたびに自動で保管庫へ送られます。
iCloudを使うには「Apple ID」が必要です。これはiPhoneを購入した時や、アプリを入れる時に設定したメールアドレスとパスワードのことです。iPhoneをお使いであれば、すでに設定されています。
iCloudの無料容量は5GBです。第11話で紹介したAndroid(Googleフォト)の15GBと比べると、3分の1と少なく感じるかもしれません。写真の画質にもよりますが、数百枚から千枚程度が目安です。容量が足りなくなった場合の対処法は、記事の後半で詳しく解説します。
iCloud写真を設定する手順
それでは、実際にバックアップの設定を行っていきましょう。
- ホーム画面で、グレーの歯車マークの「設定」アプリをタップします。
- (「タップ」とは、画面を指先で軽く1回叩く操作のことです)
- 画面の一番上にある、ご自身の「名前」が表示されている部分をタップします。
- メニューの中から、青い雲のマークの「iCloud」をタップします。
- 「iCloudを使用しているアプリ」の一覧にある「写真」をタップします。
- 「iCloud写真」という文字の横にあるスイッチをタップして、緑色(オン)の状態にします。
- その下にある「iPhoneのストレージを最適化」にチェック(レ点)が付いていることを確認します。
- これで設定完了です。
「iPhoneのストレージを最適化」を選ぶのが推奨設定です。これを選ぶと、iPhone本体には画面で見るための軽いデータが残り、印刷もできるような高画質な元の写真はiCloudに保存されます。これにより、iPhone本体の容量を節約しながら、たくさんの写真を管理できるようになります。
Wi-Fi接続時のみバックアップする設定
外出先で写真をたくさん撮ったときに、モバイルデータ通信(携帯電話会社の電波)でバックアップが始まってしまうと、通信量を一気に使ってしまうことがあります。通信量を節約するために、設定を確認しておきましょう。
- 「設定」アプリを開きます。
- 緑色のアイコンの「モバイル通信」をタップします。
- 画面をずっと下へ指でなぞって(スクロールして)探し、「iCloud」という項目を見つけます。
- 「iCloud」のスイッチが、オフ(グレーの状態)になっていることを確認します。
- これがオフになっていれば、外出先では保存されず、帰宅してWi-Fiに繋がったときにまとめて自動保存されます。
「モバイル通信」の設定内で「iCloud」がオンになっていると、動画などの大きなファイルも外出先で次々と保存されます。月々の通信制限を避けるためにも、特に理由がなければオフのままにしておくのが安心です。
バックアップが完了しているか確認する方法
「本当に保存されているかな?」と不安になったときは、以下の手順で状況を確認できます。
- 「設定」アプリを開き、上部の名前をタップします。
- 「iCloud」→「写真」の順にタップします。
- 「iCloud写真」が緑色(オン)になっていることを確認します。
- 画面の一番下の方を見てください。「〇枚の写真、〇本のビデオ」という数字が表示されていれば、バックアップが進行中、または完了しています。
「iCloud写真」がオン(緑色)なら、見守り体制は整っている
写真の枚数が表示されていれば、順調に保存が進んでいる証拠
自宅のWi-Fiに接続していれば、寝ている間などに自動でバックアップが進む
iCloudの容量を確認する方法
無料の5GBをどれくらい使っているかは、いつでも確認できます。
- 「設定」アプリを開き、自分の名前をタップします。
- 「iCloud」をタップします。
- 画面上部に表示される「棒グラフ」を確認します。
- 「ストレージを管理」をタップすると、どのデータがどれくらい容量を使っているか詳しく見ることができます。
棒グラフがほぼ満杯になると、「iCloudストレージがいっぱいです」という警告が出ます。こうなると新しい写真のバックアップが止まってしまいます。その場合は、不要な写真を整理するか、容量を増やす有料プランを検討するタイミングです。
iCloudの容量が足りなくなった時の対処法
5GBを超えてしまった場合、大きく分けて2つの対処法があります。
対処法1:不要な写真を整理する
いらない写真を削除して、空きを作ります。
- 注意点:iCloud写真をオンにしている場合、iCloudから写真を消すとiPhone本体からも同時に消えます。
- 完全に消すには:「写真」アプリの「最近削除した項目」からも削除する必要があります。
対処法2:有料プラン(iCloud+)に加入する
「写真は消したくないけれど、容量が足りない」という場合は、月額料金を払って保管庫を大きくすることができます。
- 50GB:月額130円
- 200GB:月額400円
- 2TB:月額1,300円
写真をたくさん撮る方は、月額130円の50GBプランに増やすのが非常におすすめです。1日あたりわずか約4円で、大切な思い出を何千枚も安心して保存し続けることができます。
よくある質問
- Q1:iCloudの5GBを超えたらどうなりますか?
-
新しい写真のバックアップが止まってしまいます。 そのままにしておくと、万が一iPhoneが壊れたときに、新しい写真だけが救い出せなくなります。不要な写真を削除するか、月額130円のプランを検討してみてください。
- Q2:バックアップした写真は他人に見られませんか?
-
あなた以外には見られません。 あなたのApple IDとパスワードで厳重に守られているため、銀行の貸金庫のように、あなた本人がログインしない限り他人が中身を見ることはできません。パスワードの管理だけはしっかり行いましょう。
- Q3:iPhoneを機種変更した時、写真は引き継げますか?
-
はい、とてもスムーズに引き継げます。 これがバックアップの最大のメリットです。第5話で解説した「データの復元」の際、新しいiPhoneで同じApple IDでログインすれば、これまでの写真がすべて画面に現れます。
- Q4:iCloud写真をオフにすると、写真は消えますか?
-
設定によっては消える場合があります。 オフにする際に「iPhoneから削除」という選択肢が出て、それを選んでしまうと本体から消えてしまいます。基本的には一度オンにしたら、オフにする必要はありません。
「機種変更の時に写真が消えた」という悲しいトラブルの多くは、バックアップをしていなかったことが原因です。今のうちに設定を済ませておくことが、数年後の自分を助けることにつながります。
まとめ
バックアップは、iPhoneが壊れても写真が残る「予備のコピー」のこと
iCloudは5GBまで無料で使える、iPhoneユーザーの心強い保管庫
一度スイッチをオンにすれば、あとは自動でバックアップが続く
「モバイル通信」をオフにして、Wi-Fi環境で賢く節約
容量が足りなくなったら、月額130円で「安心」を買い足すこともできる
写真のバックアップは、iPhoneを安心して使うための最も大切な設定の一つです。一度設定してしまえば、あとはiPhoneに任せておくだけで、あなたの思い出は守られ続けます。
もし操作に迷ったら、第9話の「容量不足の対処法」や、第5話の「復元の方法」もあわせて読み返してみてください。それぞれの機能がどのようにつながっているかを知ることで、スマホがもっと身近な道具に感じられるはずです。

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